排出権取引
京都議定書には二酸化炭素の排出権取引についてが盛り込まれていた。先進国で培ったエコ・テクノロジーを開発途上国が導入し、浮いた二酸化炭素排出量を国連が審査して排出権と認めれば、それを売ってマネーと交換できる。
昨日の新聞で、アメリカが排出権取引に関してEUと組み始める動きを見せたことについて報じていた。エコな社会については欧州のほうが先進国だ。それにドルとユーロが排出権を買い漁ったら、それが世界の潮流となり、日本は国際的に環境政策で立ち遅れるかもしれない。
昨晩のテレビで、排出権を途上国で作りその権利を買い取るビジネスを進める証券会社の女性ビジネスマンの活躍を放映していた。まだ始まったばかりの新しい環境-経済活動だ。環境コンサルタントとしての仕事と融資金融機関としての二つの顔を持つ。
テレビの内容では、一案件の排出権の料金は数百万円のオーダー。一案件に対し、きめ細かいサービスと数年単位の時間が必要となる。
ちょっとここで考えた。新しい技術による「節約」は小銭になるが、アマゾンの森林伐採のようなグローバル経済の歪んだ構造による大きな破壊は抑止できない。森林をそのままにしておいても、誰もマネーはくれない。しかし、それは地球の肺を維持する最高の活動だ。
排出権取引は、二酸化炭素排出に関する先進国の粉飾決算なのではないか、と思う。最近はやりのロハスも、ロハスなライフスタイルを選べる余力のある人口が少ないし、活動が間接的なので、大きな喫緊の問題に対しては特効薬にならない。
国際政治の環境対策が排出権取引に終始せず、地球規模の大きな構造問題と正対して具体的な論議を進めて行くことを願いたい。
ジャーナリズムやNPOが広く世論に知識を提供することも重要だ。小学校に環境教育という科目が一つあっても良いくらいだ。いや、それとも道徳の範疇にはいるかな。
アンテナ張っておきますんで、僕も情報を知ったら、本ブログに書き込んでいきます。
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コメント
ワタシも、排出権取引は各国が削減目標のノルマをクリアーすることはできるのでしょうが、地球全体規模で本当にCO2削減につながるのか疑問を感じています。理解できてないだけですかねー?CDMもそうなんですが、もっとわかりやすい説明が欲しいですよね。
投稿: のんべぇランナー | 2007年10月11日 (木曜日) 12時41分
>のんべぇランナーさん
CDM??って何でしょうか?Cool, Dandy, Metabolic?
投稿: すうらい | 2007年10月11日 (木曜日) 23時34分
CDMは、Clean Development Mechanism「クリーン開発メカニズム」の略です。
他国(主に開発途上国)のCO2排出削減に貢献する事業を行うと、その事業による削減量の全部または一部を排出枠として獲得できるんです。自国の「削減目標」の達成に利用できるんですが、本当に地球規模でのCO2削減につながるのか、ワタシにはよく理解できてません。。。
投稿: のんべぇランナー | 2007年10月12日 (金曜日) 12時22分
>のんべぇランナーさん
CDMですか、初耳でした。足し算引き算では、CO2の排出量は変らない気がします。排出権を獲得すればCO2出しても良い、という甘えを生みそうで怖いですね。
投稿: すうらい | 2007年10月12日 (金曜日) 23時41分