« day2 星空観察 | トップページ | day3 一日海遊び »

2016年3月22日 (火曜日)

day2 一日山歩きツアー

滞在二日目は、一日山の中で自然観察を行った。ガイドは昨日も案内してくれた武田さん。
 
小笠原列島は海中でマグマが噴出して固まった枕状溶岩が、隆起して島となったものである。父島は4800万年前に島が形成されたらしい。
土壌は岩であり、砂浜はサンゴ礁跡である。小笠原諸島は沖縄と違って大陸とつながった事がないので、この島に植物が海を越えてやってくるには、三つの経路が考えられる。
 (1) 種が海の潮で流れ着いた (Wave)
 (2) 種が風で運ばれてきた (Wind)
 (3) 種が鳥に付着したり、フンにまぎれてやってきた (Wild)
このように植物や鳥が小笠原諸島にやってきて、繁殖し、適応放散して多様な固有種となったのが、原生の自然である。
 
初めにやってきたのは、コペペ海岸。ここは昔、カナカ人(いわば海のジプシー)がやってきて住み着いた時の人の名前、コペペさんの名前から来ているそうである。
ここで海岸の植物を観察した。
 
Img_3835
コペペ海岸。白い砂はサンゴ礁が砂となったものである。
 
Img_2769
テリハボク(タマナ)。海岸の植生の代表的な木。
 
Img_2770
タマナの実
 
Img_2772
ハスノハギリ(ハマギリ)。茎からの葉の付き方が蓮の葉に似ていることから、ハスノハギリと呼ばれる。桐のように柔らかい樹木で、カヌーを作るのに適している。
 
Img_2774
ハスノハギリの実。ほおずきのような水に浮く中空の浮きの中に、実が隠されている。
 
Img_2777
モモタマナ(モモノキ)。紅葉している。この落ち葉はフカフカしており、昼にはオカヤドカリの隠れ家となる。
 
Img_2779
モモタマナの実。コルクのように軽く、おそらく海に浮かんで流されてきたことが分かる。
 
Img_2785
昼間に寝ていたムラサキオカヤドカリを見つけた
 
Img_2780
タコノキ。木の途中から下に根を張って、体を支えている。
 
Img_2783
タコノキについた実。パイナップルみたいだ。二年ほどで熟して、粒が実になって落ちる。
 
Img_2786
オオハマボウ(カイガンイチビ)。花が一日しかもたないので、イチビと呼ばれる。葉の裏はざらざらしていて白く撥水性になっている。おそらく下から塩水がかかって枯れないようになっているものと思われる。
 
 
 
 
次に二番目のポイントとして、島の南東部の巽道路の奥に車で移動して、そこから山に登り、「乾性低木林」を観察した。
山に入ると色々な生物や植物を見るが、原生の自然が外来種によって侵害されていることが課題となっており、その現状と原生の自然を守るための工夫が見られた。
Img_2802
ヤギの飛び出しに注意の道路標識。昔、人間が家畜として持ち込んだヤギが野生化して繁殖し、原生林を食い荒らすため、駆除されている。 聟島(ケータ)では、ヤギのせいで島が草原しかなくなってしまい、原生の自然がなくなってしまった。
 
Img_2803
Img_2823
グリーンアノールという外来種のトカゲ。森の昆虫を食い荒らしてしまう。固有種のトンボなどを絶滅に追いやった犯人と見られている。周りの色に擬態して緑や茶色に変色する。
 
山登りの前に、外来種の種などを持ち込まないように、コロコロローラーでズボンを払い、靴底の泥をかき落とし、さらにプラナリア(固有種のマイマイ・カタツムリを食べてしまう)の幼生を消毒するために靴底に木酢酸をスプレーする。
Img_2805
岩についた絨毯のようなシラガゴケ
 
Img_2808
山には戦時に掘られた塹壕が残っていた。写真の石垣は頂上付近の見張り台だったらしい。
 
Img_2816
岩山山頂の枕状溶岩。海底の溶岩が隆起してできた島であることがよく分かる。
 
Img_2812
テリハハマボウ(ヤマイチビ)。コペペ海岸で見たカイガンイチビが山に登って、少ない水と土壌で育てるよう葉が小型化している。このように種が別の場所で進化して広がることを、適応放散と言うそうである。
 
Img_2817
シマウツボ。黄色のフキノトウのようなのがそれである。
 
Img_2815
外来種のホナガソウ。紫の花はきれいに見えるが、繁殖力が強い。
 
Img_2818
オオハマセンダングサ。外来種。
 
この他にも、山には松が植えられており。大きく広がった松はその下の固有種の繁殖を阻害してしまうため、駆除の対象となっている。
 
 
 
 
次に昼食を挟んで、桑の木山入り口から連珠谷展望地へ分け入り、「湿性高木林」の観察を行った。谷に細い川が流れており、先ほどの岩山よりも湿性な環境となり、背の高い植物が多く見られる。この山道は、戦時に軍の車両が通行できるようにされていたものである。
Img_2839
オガサワラビロウ。この葉を使って、ビロウ葺きの屋根などが昔は作られていた。
 
Img_2841
Img_2845
木性シダ(マルハチ)。上が湿地に生えている所。下は倒木。丸の中に「八」の字に見えるのは、葉が落ちた痕である。
 
Img_2843
ホソバリュウビンタイ。非常に珍しいそうである。下の緑の石のように見えるもの全体が植物であり、そこから葉が生えている。ヤギが葉を食べたとみられる跡があった。
 
奥に行くと、ガジュマルが絡み合っていた。ガジュマルは元々は原生の植物でない。おそらく戦時に隠れ家にするために植えられた外来種である。ガジュマルの実はイチジクのようになっており、実の中に花が咲く。そのため、特殊な蜂がいない限り、生育範囲は拡大しないそうである。
ガジュマルの下に、朽ちたガスマスクのフィルターが捨てられていた。「昭和」の字が見られ、戦時のものと思われる。
Img_2850
湿性高木林を押し分けるように茂るガジュマル。
 
Img_2854
ガジュマルの実
 
Img_2857
偶然グリーンペペを見つけた。手で光を覆うとほんのりと緑に光っているように見えた。
 
 
 
 
 
最後に、アカガシラカラスバト(絶滅が危惧されているヤマバト)とオガサワラノスリ(絶滅が危惧されている猛禽類)をノヤギやノラネコから守るために、5kmにわたって柵を設置されている、バードサンクチュアリにガイドと共に入った。
川が流れている所以外は乾性低木林で、落ちた木の実を警戒心の無いカラスバトが地面で食べるそうである。
Img_2859
強い網でできた柵がサンクチュアリを囲むように5kmに渡って設置されている。柵の上部には返しがついており、猫は中に入ることができない。
 
Img_2861
 
Img_2862
残念ながら、アカガシラカラスバトとオガサワラノスリには会えなかった。
 
 
 
以上、四か所を周って、島の自然と外来種の問題について考えた。
 
帰り道に電波望遠鏡を見つけた。
Img_2877
国立天文台の電波望遠鏡で、VERA計画というプロジェクトで、銀河系の地図を作っているそうである。
 
 
 
 
 
この晩は、行きのおがさわら丸で同室になった小笠原高校の教師と一緒に大村付近で飲んだ。
居酒屋ふくちゃんにて。亀刺し、アカバの唐揚げ、トマトスライス、焼き鳥、フライドポテトなどをつまみに、ビールジョッキ4杯ほど。かなり酔った。

|

« day2 星空観察 | トップページ | day3 一日海遊び »

写真・散歩」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/201681/63392555

この記事へのトラックバック一覧です: day2 一日山歩きツアー:

« day2 星空観察 | トップページ | day3 一日海遊び »