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2016年8月15日 (月曜日)

三陸沿岸への短い旅 day1 大船渡線

明け方に「空の軌跡」のページをめくっていて、ふと防災について考えるなら、もう一度被災地ボランティアの原点に立ち返って物事を見つめなおそうと思い立ち、ネットで宿を予約して始発で岩手県に出発した。
飛行高度を変えてみた。
 
 
上野から東北新幹線に乗り、一ノ関から大船渡線で気仙沼を経由し、その先の陸前高田方面へ延長しているBRT(バス高速輸送システム; つまるところはかつて線路だったルートも経由するJRバス)で、降り立ったのは「奇跡の一本松」。
奇跡の一本松は枯死したが、人工的な処理を施され、希望のモニュメントとして元の場所に立っている。
 
 
一本松茶屋の向かいの八木澤商店で、炭火焼のホタテとイカポッポ焼きで昼飯の腹を作り、気になっていたにじのライブラリーに足を運んだ。イカは歯を食いしばらないと噛み切れなかった。
陸前高田では土地のかさ上げ工事が進んでいて、車がないとあまり自由に行動できない。歩いている人がいない。
 
 
 
 
20分ほど歩いて、見たことのある今泉天満宮に行くと、神木を払った枝を片付けた場所には、幹から切られた松の切り株が見えた。
にじのライブラリーは3月に閉鎖されていた。
復興と現実の影の面を見た気がして、僕は太陽の照り付ける路面を帰りながら、街がなくなることの悔しさを再び思い知った。
陸前高田でも、物産や飲食で再起業している店が点々とある。車があれば回れる。しかし、商店街のような街ができるには至っていない。
 
 
 
BRT(JRバス)で大船渡の魚市場に行ってみた。お盆の土曜日で休場していた。製氷機のコンプレッサーの音だけが響き、海鳥が歩いていた。
 
 
歩いて大船渡のホテルにチェックイン。割り振られた部屋は309号室で、行ってみると311の隣だった。
写真や備忘録などをまとめたり、飲み物の買い出しに出たりして、夕方を過ごしていると、5時のチャイムが鳴った。
チャイムは「イエスタデイ」のオルゴールだった。
 
あの日に帰れたなら。僕は何かの縁に巻き込まれてお盆に大船渡に帰ってきた魂だ。しかし、僕は運命の日の二日前に留まっている。
東京で防災について考えていた。運命を変えられるチャンスを持っている。「やるなら今しかねぇ」とノートに殴り書いた。
 
 
ホテルの近くに、プレハブ小屋の飲み屋街があると聞いたので、夕食をそこで食べた。
飲み屋街にはステージが設置され、バンドが演奏している。ステージの観客として飲むこともできるし、プレハブの中で聞こえてくる音楽をバックに、喫食することもできる。
飲み屋街をきょろきょろしていると、「お兄さん、入ってきな」と人懐っこいおばちゃんに捕まった。お通しは食べやすく切った山盛りのイカ焼き。ポン酢をかけてしょうがが乗っている。ビールを飲んで、地元の方と話した。ビール二杯を飲んでいると、プレハブのカウンターで飲んでいるところに、ベタな歌詞のブルースのサックスがしみ込んできて、酔った。「ジャズは分がんねぇ」というおじいさんも、僕が「このサックスを聞きに来たようなもんです」というと、気持ちが通じたようだった。隣のお兄さんは、腕の良い職人がいる鮨の屋台を紹介してくれた。二軒目のささきにハシゴして、ホヤを食べた。大船渡の日本酒「天神山」も一合飲んだ。
 
 
帰り道に空を見上げたが、月明りで、星は見えなかった。
 
 
 
 

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