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2018年3月 4日 (日曜日)

連載: 私たちを科学する(1)

これまでの勉強の中で自分の中に培ってきた哲学を、論文に起こします。
自身で行った基礎研究というより、世の中の研究への評論であったり感想であったりするので、専門的な学会にレビューする前に、ここに連載して世間の反応を見ようと思います。

ブログの日記も書き連ねて行きますので、過去の連載が埋もれていってしまいますが、カテゴリーを「Science of Ourselves」に設定しておきますので、このカテゴリーをクリックして読んで頂ければ、連載を通してお読みになれる仕組みになっております。


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◼️意識の正体

私とは誰か。今私とは誰かと考えている「私」はどこにいるのか。脳科学が発展して、人の意識や心について、いくつかの知見が得られるようになってきました。脳科学についての書籍やレビューも多く世間に流布されるようになり、脳の神経細胞に走る電気信号が我々の思考を形作っているということが、常識になっています。
では、私とは神経細胞なのでしょうか?私が私を見る時、正体は神経細胞なのでしょうか?それとも、私とは電気信号なのでしょうか?もし電気信号に命が宿るならば、路上の送電線にも命が宿ることはあるのでしょうか?
私を私と考えている人の意識とは何かを考える学問を、サイエンスでは認知心理学と呼びます。その世界をのぞくと、思想はこのような禅問答から端を発しています。

最近になって脳の内部の働きを可視化できるようになり、我々がどんなことを考えているときに、脳のどの箇所が働いているのか分かるようになってきています。
人の顔を見たときには、特定の場所の脳神経に電気が走っています。また人の顔を見て感情を抱いた時も、特定の場所の脳神経に電気が走っています。しかし、見た顔が妻の顔だと分かる私はどこにいるのでしょう?そして妻の顔を見て安心した気持ちを抱いた私はどこにいるのでしょう?

人はぼーっとしている時でも、脳が活発に働いているそうです。眠っている時に夢を見るのも、睡眠中に脳が休止していないことを証明しています。
人が普段意識できている脳の活動は、全体の1%程度。残りの99%の活動は何に使われているのでしょうか?
ある研究で、瞑想をしている時の脳活動が測定されました。
背筋を伸ばして、腰を据えて座り、深い呼吸に集中する。しばらく、呼吸だけを意識していると、様々な雑念が浮かんできます。その雑念を、「ああこんな事が浮かんできた」と客観的に傍観しながら、再び呼吸に集中する。このような瞑想を観察瞑想と呼ぶそうです。
この観察瞑想をしている時の脳活動を測定していくうちに、人がぼーっとしている時の脳の活動が可視化されました。
この何も考えていない時の脳活動は、Default Mode Networkと呼ばれ、エンジンならアイドリングのような脳細胞の信号のリレーです。
私はこの何も考えないぼーっといている時の脳活動: Default Mode Networkこそ、我々の意識の正体なのではないか、そう考えています。
私の意識とは、無意識に循環する信号のリレーなのです。

(つづく)


参考文献
・疲れない脳をつくる生活習慣, 石川善樹, プレジデント社

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