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2018年3月 6日 (火曜日)

連載: 私たちを科学する(2)

◼️AIは意識を持つか

脳内のDefault Mode Networkに循環して走る電気信号が、私たちの意識の正体であると書きました。
ではコンピューターのCPU内を循環する電気信号にも、意識は宿るのでしょうか?最近話題の人工知能(AI)は意識を持つのでしょうか?

現在使われているコンピューターのCPUは64bitなので、脳の1000億の神経細胞のネットワークに比べると微々たる複雑性で、人間の脳に比べたら単細胞生物に満たないかもしれません。とはいっても、単細胞生物にも食欲のような単純な意識ならば宿ります。

2018年1月に、AI美学研究会というアーティストのグループが沖縄で展示会を開きました。
ここでアーティストが挑戦したのが、AIは美意識を持つことができるかという課題です。
展示は、次の4象限からなります。
1-1 人間の美意識を、人間が表現した作品 = これまでのアート
1-2 人間の美意識を、機械が表現したアート = 人間のアート作品をAIに参考として学習させ、機械がアレンジしてアート作品に仕上げている
2-1 機械の美意識を、人間が表現したアート = AIチャットボットのたわ言のようなエッセンスを、人間が真面目にアート作品として体裁を整えて作品に仕上げている
2-2 機械の美意識を、機械が表現したアート = AIの美意識を機械の美意識だけで表現した作品

僕はこれまでにアートを見る時、面白いと感じたりする時は、制作したアーティストの心を覗くように心がけました。子どもの絵を見る時に子どもの心を観るように、アーティストの人生を重ねて製作者の心を覗くようにしました。現代アートはこの鑑賞の仕方が通用しないことがあるのですが、そのような時はこちらが共感したり面白いと感じる気持ちを大切にしています。
機械の美意識を同様の視点で鑑賞した場合、AIの美意識には心が宿っていると言えるのでしょうか?いえ、現在のAIに心はありません。そういう意味で美意識では無いと私は思います。
AIが美意識を持つかという、いわゆるシンギュラリティへの挑戦が、 AI美学研究会のスタンスのようです。

◼️自律した情報の流れ

ちょっと話がそれますが、Default Mode Networkでの神経細胞の発火のように、ある範囲内で自律した情報活動を繰り広げているシステムについて、思いを巡らせてみましょう。
このような自律した情報システムには、どんな物が挙げられるでしょうか?

生物の脳内の神経伝達
パソコンのCPUに流れる電気信号
人の体内にホリスティックにやりとりされる情報伝達
組織・社会内を循環する経済の流れ
世界中のインターネットで交わされる情報
地球上の気象・水の循環、地球そのもの(GAIA仮説)
銀河の中の星の一生、宇宙での物質の循環
・・・

情報伝達のタイムスケールこそ異なるものの、充分に複雑なシステムです。これらには、意識のような存在は生まれないのでしょうか?

(不定期につづく)

参考文献(まだ積ん読)
・誤解だらけの人工知能 ディープラーニングの限界と可能性, 田中潤・松本健太郎, 光文社新書

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