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2019年2月24日 (日曜日)

「国境なき医師団」を見に行く / いとうせいこう (講談社)

ネットでの連載を読もうとした時期があったが、アクセスを定期的に続けられずに、今になって単行本を読んだ。
国境なき医師団(MEDECINS SANS FRONTIERES; MSF)の活動に同行したルポルタージュが小説風に書かれている。

思えばMSFの存在をきちんと知ったのは、NPO法人「宇宙船地球号」の山本敏晴さんとの出会いからだった。10年前になんとなく地球のために何かしたいと思った僕は、山本さんによる企業のCSRプロジェクトにボランティアで参画した。業界大手のCSR報告書を読んで、企業を格付けするといった作業だった。今で言うESG銘柄選定の走りだった。
その作業を手伝う時に、山本さん本人の国際協力師としてのキャリアが、国境なき医師団への志願に始まっていたことを聞いたのだ。
国際協力師への転職にも一時気が向いた。しかし、健康状態を損ねており服薬が必要だったため、CSRという間接的な形で地球に貢献することにした。

話を今回読んだ書籍に戻す。MSFのルポルタージュから、現場のスタッフが医師だけでなく、物資の補給を担うロジスティクスや、言葉や文化の仲介者から成っていることを知る。医師でなくても、健康で意志があれば、年配でも志願し採用されることがあるのだ。
ただし、役割の環境は心身ともに過酷だ。
それを善意と良心、仲間意識で乗り切っている。人のために尽くそうとする善意の熱がそこにある。

受け売りではMSFの国際貢献の世界がうまく伝わらないので、興味があればぜひ本書を手にとってほしい。
僕はしばらく日本で働いて、給与のごく一部を募金してロジスティクスに微力だが寄与する。

MSFは世界の弱者の傷に絆創膏を貼り続けている。政治そのものは動かせない。しかしそれでも、弱者は生まれる。
この難民たちは、もしかすると自分だったかもしれない。

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