本棚

2017年8月18日 (金曜日)

人生を味わう古典落語の名文句 / 立川談慶 (PHP研究所)

両国で寄席を見た流れで墨田区立ひきふね図書館を散策していたところ、本書の存在を知り、貸出中だったので電子書籍で購入して読んだ。
 
先日の寄席はボーっと聞いていたが、寄席で演じられる落語の原型として古典落語という話の手本があることを知った。噺家が古典落語を原型にして、自分で脚色して演じて見せるらしい。扇子や楽器の使い方や、噺の上手さ、演者の演出など、とにかく芸の世界が奥深いなと先日見て思っていた。
トリの円楽さんが演った、「あくび指南」も古典落語にあるらしい。夏の演目だった。
 
古典落語の名文句を肴に哲学するというのが、立川談志の弟子の談慶氏のこの書籍だった。
ヒマで楽しく読んだ。江戸の粋にも触れられて面白い。
 
古典落語を学ぶなら、DVDで観なきゃなと思うのだが、そこまで真摯に向き合えないな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年8月 2日 (水曜日)

仕事人生のリセットボタン―転機のレッスン / 為末大・中原淳 (ちくま新書)

大企業に就職して、だいぶ茹で上がってきた。
登りのエスカレーターに乗ったつもりが、いつの間にか行き先が下りになっている。
ただし、この先、70歳までは健康で働かなくてはならないだろう。
この秋で47歳。これから家庭を持つつもりだ。
高齢化社会にも順応しなければならない。
 
アスリートのキャリアは、20代という若い年齢で、引退を考えさせられるという。
スポーツという一芸に秀でる努力や思想も、一般の想像を超えている。
 
この本では、中原氏が聞き役になって、陸上で活躍した為末氏のキャリアの考え方を紹介している。
本のタイトルは「リセットボタン」となっているが、読んでみると、バスケットのピポットターンの様に、軸足を固定してキャリアの試行錯誤を試すことを勧めている。
 
今リセットボタンとピポットターンの答えは無いが、70歳まで心身ともに健康で働くために、社会人として暗中模索を続けていく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

疲れない脳をつくる生活習慣 / 石川善樹 (プレジデント社)

僕の友人は、本のソムリエである。普段の会話から、僕に必要なスキルや知識・人材育成について、どこから見つけてきたんだと思うほど絶妙な書籍を勧めてくる。
この本も、その内の一冊だった。
 
質の良い睡眠が取れなくて悩んでいた時期があった。禁酒したり、風呂を工夫したり、深夜覚醒した後の二度寝や昼休みの仮眠で、日常を保ってきた。
そんな悩みを知った友人がこの本を見つけてくれた。
 
疲れない脳をつくる生活習慣とは、広義のマインドフルネスのことである。
それは次の4つの生活習慣から成る。
  ・瞑想、呼吸
  ・睡眠
  ・姿勢
  ・血糖値管理、食事
 
どれも普段から気になっていたことで、その大切さを再認識するとともに、自分の至らない点に気づかされた。
グーグルのウェルネスセンターで、3大必須スキルに「料理」「運動」「睡眠」を挙げている話も面白い。
健康オタクの実母のごたくが、意外と正論だったことにも気づかされた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月25日 (火曜日)

心が軽くなる! 気持ちのいい伝え方 / 森田汐生 (主婦の友社)

アサーティブなコミュニケーションについて書かれている、読みやすい本。
 
これまで、自分は仕事などのアウトプットの内容について、重視して行動してきた。
無言で制作し、ドーンと提出することが多かった。
 
そんな僕の性格を見かねた友人が、「アサーティブ・コミュニケーション」の概念について教えてくれた。
人間関係のベースとなる、コミュニケーションのコツです。相手の事を尊重した上で、「自分はこう思う」と自己主張する。
 
メールによる連絡が相手の顔が見えないのと同様に、
このブログも一方的な配信なので、コミュニケーションとはき違えないように気をつけるつもりです。ブログは備忘録です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月 2日 (日曜日)

愛のサウンドを広めて / 新堀寛己 (新堀芸術学院出版局; 神奈川新聞社)

先日のコンサートで、新堀学長が戦後の復興時代の事を話し始めたところ話が脱線してしまい、ちゃんと知りたいなと思ったので、本書を読んだ。
 
戦後の混乱期に音楽を広めようとする一途な姿は、現在の素晴らしい環境で音楽を学ぶ若輩な我々にとって新鮮に映った。
 
戦後ほどでないが、2011年の東日本大震災の後、被災地ボランティアをして感じ取った事がたくさんある。
 弱者への配慮
 人の絆、こころのつながり
 しなやかで揺れながら生きる、人間の姿
言葉に尽くせない。
 
今の日本も世界も、内部から徐々に崩れつつあるように感じている。これは一人のリーダーがどうにかできる問題ではない。
そして、そろそろ南海トラフ地震や首都圏直下型地震が来てもおかしくない。僕の住む東京でも、家や家族を失う人が出るだろう。
そんな時に、しなやかな稲穂のようになびきながら生きるにはどうしたら良いだろう?
 
以前書いた本ブログの記事に、レジスタンス(反骨心)についての記載があったので、再度引用する。
 
/***
This world around you is not what it seems. Our future is at stake, and you must choose a side.
「この世界はあなたの見たままではない。 我々の未来は危うくなっており、あなたはどちらのサイドかを選ばなくてはならない。」
  
A mysterious energy has been unearthed by a team of scientists in Europe. The origin and purpose of this force is unknown, but some researchers believe it is influencing the way we think. We must control it or it will control us.
「ミステリアスなエネルギーが欧州の科学者によって発見された。この力の起源や目的は分からないが、一部の研究者はこのエネルギーは我々の思考に影響を与えていると考えている。我々がこのエネルギーをコントロールせねば、エネルギーが我々をコントロールするだろう。」
 
"The Enlightened" seek to embrace the power that this energy may bestow upon us.
「エンライテンド」は、エネルギーが我々に享受するパワーを受け入れる方法を探る。
 
"The Resistance" struggle to defend, and protect what's left of our humanity.
「レジスタンス」は、我々の人間性から残されるものをエネルギーから守ろうともがく。
あなたはどちらのサイドを取りますか?
***/
 
 
僕はレジスタンスを選択した。そこからゲーム(Ingress)は進んでいない。
 
アコースティック・ギターは、レジスタンスだと思う。
テレビを付けっぱなしにしない事は、レジスタンスだと思う。
くよくよ考えるときに汗を流すことは、レジスタンスだと思う。
そして、友情や愛情は、やはりレジスタンスだと思うのだ。  
 
僕は東京が地震でがれきの街になっても、きっと復興に汗を流して、一方でギターを鳴らしながら生きて行く。
雑誌「致知」の購読も続けるだろう。
 
エンライテンドな知識を広げつつ、心は常にレジスタンスの側にある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年5月31日 (水曜日)

嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え / 岸見一郎・古賀史健 (ダイヤモンド社)

メモ
すべての悩みは「対人関係の悩み」である
承認要求を否定する
他者の課題を切り捨てよ
対人関係のゴールは「共同体感覚」
叱ってはいけない、ほめてもいけない
「勇気づけ」というアプローチ
自己受容、他者信頼、他者貢献
いま、ここ、を生きる
 
 
普段僕は対人関係において、「本音で話すこと」「空気を読まないこと」を意識することが多い。だから、面倒な奴と思われることもあるだろう。でも、それでも関係が続く友人を大切にすることによって、自由な人生を生きてきたつもりである。
 
共同体感覚については、環境問題の配慮や、被災地ボランティアを通じて養ってきた考えに共通している。
勇気づけについては、甥や姪と接する時に、自然に身に付いてきたような気がする。
「いまここを生きる」、は、雑誌「致知」を読んでいるといつもハッとさせられる。それは登山での一歩一歩、自転車の一漕ぎ一漕ぎの哲学だった。
 
つまるところ、この本の人生哲学は大なり小なり自分で意識してきた生き方に共通するものだった。だから、目からウロコが落ちたことはないし、表現の方法として上手いなぁと感じたにすぎない。再確認のプロセスだった。
 
 
大切なのは、「対人関係での自由」をこれまで通り続けること。他者貢献・利他の心を持つこと。小さくても、一歩を踏み出すこと。
 
しがらみが増えて悩み始めた時、原点に返るために、またこの本を再読する機会が出てくるかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月 1日 (水曜日)

ドラッカーと論語 / 安冨歩 (東洋経済新報社)

一般的な教科書の「ドラッカーのエッセンシャル版」は、ドラッカーの著作の一部を切り貼りしたものだそうだ。
この本ではドラッカーの著作全体に流れる理論の中心を、「論語」という儒教の古典を副読本にしながら、日本人向きな解釈で論じている。
 
ドラッカー理論の中心となっている、マーケティングとイノベーションについて、「自己を知る」、「フィードバックして学習する」と解釈したのは、読んでいて自己の尊厳をサラリーマン組織から取り戻したような気がした。
ちょっと、自分の職場・会社の内情と関わってくるので、ネット上に垂れ流すことはできないが、この本を読んで「我々が心が打ち震えるほど、本当にわくわくしてやりたい事は何なのか」を考えた。
僕個人としては、それは未来社会の社会的責任を果たす革命であり、「会社という法人のリスクでなく、未来社会・次世代の社会のリスクに対応する」事が、「イノベーション」であり、「仁」「徳」であるのだろうと思った。
 
ドラッカーも論語も深い内容の書籍であり、一冊を一度読んだところで理解しきれるものではないと思うが、互いの考えを補完しながら解釈しているこの本は、良い自己啓発のきっかけとなった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月23日 (木曜日)

量子コンピュータが人工知能を加速する / 西森秀稔・大関真之 (日経BP社)

量子アニーリング型の量子コンピュータの原理と、その可能性についてが語られている。
50年先に起こると思われていたイノベーションが、現代の世界でもう進められている。
 
組み合わせ最適化問題を、量子アニーリングで解を求めるのが得意な量子コンピューターは、人工知能のディープラーニングなどでも強く、NASAやGoogleが導入を進めているという。
 
少し先の量子コンピューター型人工知能が、シンギュラリティを超える可能性は高いのかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月19日 (日曜日)

いま世界の哲学者が考えていること / 岡本裕一朗 (ダイヤモンド社)

現代に考え方が進展している、認知科学(脳・意識・AI)・情報科学(IT)・生命科学・資本主義と格差社会・世界の宗教のありよう・環境科学(地球温暖化)など、捉え方が混沌としてきた様々な分野において、色々と思索している先人たちの著作を多数紹介している。
古典的哲学の本でなく、現代を思索の観点から切り取った、哲学の世界のガイドブック。
 
第1章のITやAIについてで、読んですぐに気づかされることが多かった。
ブログやSNSなど、ネットへの書き込みが、未来のAIのシンギュラリティを助長するかもしれない。
 
正解をこの本に期待するというより、その論題について高いところからの視点で思索している先人たちが既にいることが分かる、ガイドブックでした。
地球温暖化についての章は、独自の視点で書かれており、温暖化懐疑派も否定していません。
僕はIPCCの見解を尊重します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月 7日 (火曜日)

サピエンス全史 / ユヴァル・ノア・ハラリ (河出書房新社)

類人猿から様々な概念(あるいは虚構、あるいは妄想)を発明し、現在では科学で生命を操作するようになった人類:サピエンスが、強大な力を手に入れながらも、実は幸福になったとは言い切れないという、自分たちの存在意義を問いかけてくる書。
 
たしかに、今ではインターネットで瞬時に地球と宇宙ステーション間で会話ができ、医学の進歩によって病気も治るようになった。しかし、一方で多忙な時間に追われ、貧富の格差は拡大している。
 
本の最後の方は、筆者の感情が乱れたような感じだったが、サピエンスが新しい発見をして力を手に入れるたびに、世界は便利になった一方、幸福に関してはあまり進展がないという感覚はよく読み取れた。
 
サピエンスは今後どこに行くのだろう? 分かりません。
でも例えば、こんな概念・虚構・妄想を考えてみました。
 
サピエンスは将来、時間を超えて意識を伝達するテクノロジーを手に入れる。
生命という神の領域に踏み込んだサピエンスは、未来から紀元前1万年へと意識を伝送する。サピエンスは神になる。
時間を超えた意識・情報の伝達は、時空に歪のさざなみを生じ、その間の時代にいる我々はさざなみが意識や情報に現れ、シンクロニシティや精神病・霊感のある人に影響を及ぼすだろう。
 
 
しかし、それでも1万年くらいの時代の飛躍であり、宇宙138億年のスケールに取ってみれば、ほんのゆらぎにしか過ぎないのかもしれない。
 
だからといって、我々は幸せになるのか?
 
俺は愛した女性と、愛を確かめ合いたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧